僕は今年から2反弱の田を借りて米作りをしています。
米作りは、田植えが終わった後は水(水位)の管理と畦(あぜ)の草刈りを行うくらいで、畑とくらべると手がかかりません。
(2反の田を作るのと、2反の畑を作るのでは5倍以上の労力の差があります)
とはいえ、草刈りはしなければならないわけなのですが、素朴な疑問として「なぜ畦の草刈りをするのかな?」と思ったわけです。
ちなみに、畦(あぜ)とは田んぼの周りの土手の部分の事です。
言ってみれば畦の部分は水の中の稲に関係ないような…と思っていたのです。でもこの草刈り、田植え前に一回、その後も稲を収穫するまで3,4回行います。
ということで、「なんでそんなに草刈りをするんですか?」と嘉年ハイランドの代表の佐々木さんに聞いてみると、意外な答えが!!
草刈りで植生が変わる
「草刈りっちゅうもんは奥が深いんよ」と佐々木さんはおっしゃいます。
草刈りをしなければ草丈が伸び、また丈の高い草が生えてくるようになります。最終的にススキ…そして雑木が生えてきて山に戻ろうとします。逆に草刈りの頻度が高ければ丈の高い植物は生えてこず、背丈の低い植物が畦を覆うようになってきます。最終的には野芝(野生の芝)が覆い、草刈りの手間も少なくなります。
つまり、草刈りの頻度によって植生が変わるということですね。
僕は間隔が長かったので、50センチぐらいの草が生えていました。。。とはいえ、50センチ位の草が生えているからといってその田の持ち主がものぐさとは限りません。畦の草は牛の飼料にもなるので、集めやすいようにあえて伸ばしてから刈る方もいらっしゃいます。
僕は牛を飼っていないので、ただ単にナマケてるだけなのですが。。。。
刈った草の処理
草を刈ると当然地面に落ちるわけですが、この草の処理も結構重要なことなのです。草を放置しても別に良いのですが「なるべくなら、集めて捨てた(あるいは牛にやる)方がええ」ということです。
これはなぜかというと、草を放置すると当然自然分解が始まるわけなのですが、その草を目当てにミミズが寄ってくるようになります。するとそのミミズを餌にするモグラが寄ってきてしまい畦に穴を掘ってしまい、畦が壊れやすくなってしまうからだそうです。
なんというか、自然というのは本当につながってできているものだなあと感嘆します。草刈り1つからもそれがわかります。
水やりの難しさを「水やり3年」と表現することがありますが、草刈りはそれ以上に奥深いものなのです。