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十種ヶ峰の伝説:その①権現様・大蛇

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山口県と島根県の間にまたがる名峰「十種ヶ峰」には様々な伝説があります。

その伝説を大きくわけると5つに大別できます。

・権現様に関する話
・大蛇に関する話
・大人(巨人)に関する話
・財宝についての話
・その他の話

の5つです。

今日はその中でも権現様と大蛇に関する伝説について書きたいと思います。

 

権現様に関する伝説

十種ヶ峰には神様が住んでおられたが、山頂付近に水が無く不便であった。それで天に祈願されると、不思議にも山頂のすぐ近くに泉が湧き出した。この泉は霊泉で、土用にも涸れることはない。

富士山の山頂付近にも湧き水があります。それは僅かな落差によって湧き出るとされていますが、山頂付近で土用にも枯れない湧き水というのは確かに不思議な話です。

昔、牛や馬が病気の時は権現様にお参りし、付近の笹を折り取って泉に浸し、それを持ち帰って牛馬に喰わせて病気平癒を祈ったものです。

水を直接持ってかえるのではなく、浸した笹というのが良いですね。

昔、吉部野はよいよ(とても)雷が落ちる所で、昭和3年には桑原さんの家にも落ちて火事になった。それで昔から神角に雷が落ちんのは十種ヶ峰山頂の権現様のお陰だということで、吉部野も権現様の氏子となって十一月三十日のお祭りには、お初穂を集めて神角へ代表の者がお参りを始めた。ふしぎにもそれ以後吉部野に雷が落ちることはなくなった。

吉部野というのは嘉年の集落名ですが、雷が落ちる場所であったというのは初耳です。ちなみに神角(こうづの)は徳佐の集落名です。

大蛇に関する話

明治の初め頃、市ノ瀬の城市の家に、島根県から上手な木挽が来て泊まりこみ、十種ヶ峰に入って仕事をしていた。ある日のこと、山の仕事場に大きなウワバミが現れた。驚いた木挽は使っていた銀杏刃のハツリ(手斧)を力いっぱい打ち掛けると、見事ハツリはウワバミの胴に突き刺さった。しかし、ウワバミは胴にハツリを突き立てたままゆっくりと山中に姿を消した。あとから探してみると、ハツリだけが谷底に残されていたという。それからまもなく木挽は病いを得、城市の家で亡くなった。この話は城市音五郎さんが、本当にあった事だといって話してくれた。十種ヶ峰で一升瓶ほどの太さの蛇をみた話は沢山ある。

谷底というのがどのあたりか気になる話です。
一升瓶ほどの太さといえばツチノコを思い出すわけですが、阿東にもツチノコ伝説はあったようです。最近では獲物を飲み込んだ蛇はお腹が膨れるのでそれがツチノコに見えたのでは無いかと言われていますね。

市ノ瀬から「七曲り」の難所を登った所に一抱え以上ある黒松があった。大枝が横に拡がって市場の方から見ると大蛇が口を開けた形に似ていたので、人々は「蛇頭松」と呼んで尊んだ。もしこの松を伐ると赤い血が流れ出るので伐ってはならぬという言い伝えであった。昔は疱瘡や赤痢が流行ると、この松にお参りすると治るということで、お参りの人が奉納した御幣がたくさんお供えしてあった。今も松の切り株が残っている。

直接大蛇とは関係はありませんが、松に霊的なパワーが宿っていたというお話です。しかし、いまではもう伐られているんですね。伐った時の事が気になります。

 

以上、権現様と大蛇に関する伝説の数々です。

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