狩猟

最後の一撃は、せつない。

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タイトルはゲーム「ワンダと巨像」のキャッチコピーですが、今日は最後の一撃を出す側に回ったのでそれについて書こうと思います。

今年狩猟免許を取得したのは先日書いたとおりなのですが、その後狩猟登録をしていよいよ今季から罠をかけることになりました。

狩猟バッジ
↑26年度のハンターバッジ。

 

そんな矢先、朝起きて支度をしていると(僕が勝手に猟の師匠と仰いでいる)倉田さんから電話が。

「イノシシが罠にかかったみたいなんじゃが、見に来るか?」

「勿論です!」

通常、罠は見に行かないと獲物がかかったかどうかはわからないのですが、倉田さんの罠は無線が付いているので獲物が罠にかかると家にいながらそれを知ることが出来るのです。

現地に行ってみるとかなり大きい個体が箱罠にかかっていました。(後でわかったことですが70kgオーバーのオスです。)

罠猟の場合、かかった個体にとどめを刺す「止めさし」という作業が必要です。いろいろな方法があるのですが、この時に選んだのは槍のような柄のついた刃物で心臓や頸動脈を刺すという方法でした。(ポピュラーな方法です)

この方法だとイノシシは出血多量で死ぬことになります。(血抜きという意味もあるので僕もこの方法が良いのではないかと思います。)

倒れた個体をトラックに載せ、もう1つの罠へ向かいます。

初めての止めさし

かかっていたのは40kg程度の個体、倉田さんに「僕に止めさしをさせて頂けませんか」とお願いをすると快諾して頂けました。

最後の一撃である「止めさし」は罠猟の中で最も緊張する瞬間と言っていいのではないかと思います。箱罠なので逆襲されることはなかなかないのですが、(※くくり罠の場合、イノシシが比較的自由に動けるのでイノシシの逆襲で怪我をすることがよくあるそうです。)それでも緊張します。

もちろん、「自分自身が怪我しないように」とも考えますが、やはり「良い所に刺したい」と強く思います。猪をムダに苦しめることが無いように、そしてお肉を美味しく頂けるように、との思いからです。

猪が罠に前脚をかけた瞬間に、前脚と前脚の間、胸をスッとさすとフゴフゴとしばらく暴れた後、いびきをかいて眠るように動かなくなりました。

この瞬間が命を奪う瞬間であり、最も感傷的になる瞬間です。

漫画「山賊ダイアリー」では猪をしとめるかどうかしばらく逡巡する様子が描かれています。
山賊ダイアリー

山賊ダイアリー
※山賊ダイアリー2巻 P47-p48(岡本健太郎・講談社)より引用

 

最後の瞬間の心境

罠猟をやると決めた時から、この最後の瞬間に自分がどういう気持ちになるのだろうと思っていましたが、実際その瞬間を思い返してみると感傷的な気持ちは殆どなかったように思います。「ちゃんと良い所に刺せたか」「ちゃんと血は出ているか」つまり、自分が狩猟者として上手に出来たかどうかをしっかり確認するのが先に立っていました。

釣り人が「魚を締める時に上手に出来たかどうか」確認するような心境だったと思います。すでに「猪は獲物である」という思考回路が身についていたのだと思います。

命を頂くわけなので、深く感謝し無駄にせず頂こうと思いました。肉は食べれるまでに(解体や熟成などで)時間がかかるので、今日はハツ(心臓)をいただきました。

猪のハツ

 

塩コショウで食べてみると味がほとんどしなかった(臭味もありません。)のでニンニクで炒め、焼肉のタレで濃く味付けをするとシャキシャキした歯ごたえが楽しめ、美味しかったです。

 

 

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