作品にみる田舎

デトロイト・メタル・シティに見る田舎

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今日は「デトロイト・メタル・シティ」に出てくる田舎について書きたいと思います。

デトロイト・メタル・シティ

まず、デトロイト・メタル・シティのあらすじの説明を。

主人公の根岸崇一(ねぎし・そういち)は原宿系のオシャレな雰囲気を好み、カヒミ・カリィのようなポップな音楽を好むちょっと気弱で平凡な青年なのですが、大学卒業にミュージシャンとしてデビューする夢をかなえるために音楽事務所と契約します。

デトロイト・メタル・シティの主人公「根岸崇一」
↑やや気弱ですが、とても心優しい青年「根岸崇一」

しかし、その事務所は根岸をデスメタルの世界に強制的に引きずり込み、「デトロイト・メタル・シティ(通称DMC)」のギター・ボーカル「ヨハネ・クラウザーII世」として、デビューさせます。メタル嫌いの根岸ですが、本人の意に反して才能がメキメキと開花して人気バンドに…。というのが主なあらすじのギャグ漫画です。

絶叫するクラウザー2世
↑根岸のバンドでの姿「クラウザーⅡ世」。本来の性格と180度違うパフォーマンスを強いられています。

さて、この主人公、根岸崇一の実家は大分県犬飼町(現在は合併して豊後大野市に)です。ちょっと根岸の気持ちがノリすぎて、事務所社長に反抗した際、即座に社長が根岸を蹴りながら言ったセリフ、「なにがサタンだテメェ 大分県は鮎の町 犬飼町出身だろ」という所から鮎が有名な場所だということもわかります。

社長に蹴られる根岸崇一

第11話(TRACK11) FAMILY

第11話「FAMILY」で根岸は実家である大分県犬飼町に帰省します。デスメタルの事は忘れてゆっくり過ごそうとした矢先、実の弟である「俊くん」が自分のバンドであるDMCの熱狂的なファンになっていることが判明します。

昔は自分の事を慕ってくれていた弟が自分に対して反抗的な態度を取り、汚い言葉を言う姿を見て、根岸は「僕のやっている音楽が家族に混乱をまねいている」と自責の念を感じ、クラウザーⅡ世として説教をし更生させようと図ります。

この目論見はうまく行き、俊くんは尊敬するクラウザーのいう事は素直に聞くのでした。

クラウザーⅡ世が俊くんに説教

「クラウザーさんみたくなりたいんでっ 学校とか手伝いとかくだらん事はしません!!」という俊くんに、牛の世話や草刈りがいかに「真の帝王」にとって必要か教え込みます。このシーンからも根岸崇一が家の手伝いを熱心にする真面目な少年時代を過ごしていたことがわかります。(当然ですが、首を切ったりするシーンはありません。)

 

トラクターを運転するクラウザーⅡ世

トラクターの運転を軽々こなすクラウザーに感動し「スゲェ…まるで農家の息子のようだ」とつぶやく俊くん。誰にでも下積み時代があって今があるという真理を叩きこまれます。

クラウザーⅡ世の農家の息子としての能力は高く、別の話では敵がけしかけたバッファローをてなずけるなど、デスメタルバンドの歌手になってもいかんなく発揮されます。牛を飼っている人でもバッファローをてなずけるのはかなり難しいハズ。難なくやってしまう根岸は牛を飼う才能も十分持っています。

メタルバッファローをてなずけるクラウザー

実家としての田舎

このデトロイト・メタル・シティで描かれる田舎は「実家としての田舎」です、牧歌的で農業がメインの田舎のイメージがデスメタルバンドで活躍するクラウザーⅡ世とのギャップを際だたせるために描かれていると考えられます。(作者の実家も犬飼町なので、それも理由でしょうが)

実家が田舎という人ももちろん多いのですが、僕は実家が地方都市なので周囲にも牧歌的な実家がない友人が多いです。そんな環境に育った人は、牧歌的な田舎に里帰り体験みたいなことがしたいという人が多くいるような気がします。その受け皿として民泊やグリーンツーリズムがあるのですが、どのような里帰り体験を望んでいる人が多いのかが重要になってきますね。

※今回の記事の漫画は若杉公徳著「デトロイト・メタル・シティ」第1巻(白泉社)より引用しました。

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